2018年8月1日
【海外派遣】AJGA Kansas Junior at Buffalo Dunes 詳細
6月25~28日▽米国カンザス州ガーデンシティ、バッファローデューンズゴルフクラブ(男子6800ヤード、パー72、コースレート74・3、女子6008ヤード、パー72、コースレート74・5)▽参加選手=男子97名、女子32名▽JJGA派遣選手=大谷元気(高1)、久常涼(高1)、大林奈央(高校卒業)▽派遣選考=タイガー魔法瓶プレゼンツ石川遼カップ、スプリングジュニアゴルフチャンピオンシップ、チームタイガー
今年で6年目を迎えるこの大会。アメリカ中西部に位置するカンザス州ガーデンシティにあるバッファローデューンズGCで開催された。農場と牧場に囲まれた人口約3万人の小さな町のゴルフコース。平坦だが左右にある膝まで伸びたラフがプレッシャーをかけてくる。ドッグレッグも多く距離は短いが戦略的なコースだ。
この大会にJJGAから派遣されたのは久常涼、大谷元気、大林奈央の3人。3人とも海外での試合経験は豊富、2度目の優勝を目指す大林はもちろん、AJGA初挑戦となる久常と大谷も初優勝を目指していた。
1日目 【大谷】風速15mの強い風が吹いた。大谷は10番から8時10分のスタート。12番で80cmのパーパットを外してボギーとするも、13番パー5で2オンし初バーディーを奪う。15番でもバーディーを奪い、迎えた18番、グリーン奥10ヤードからチップインバーディーをねじ込み2アンダーで折り返す。しかし後半3番でティーショットを池に入れてボギー、7番はダボとしてこの日1オーバー73。「前半の流れのままで後半に乗れなかった」と悔やんだ大谷は6位タイで初日を終えた。
【久常】久常は10番から11時30分にスタート。10番で2打目が木にあたりロストでトリプルとすると、11、12番も連続ボギーとしてしまう。しかし13番でイーグルを奪うと、ボギーを挟んで16番でバーディーを奪い、3オーバーで折り返した。後半の4番でも3パットしボギーとしてしまう。5番から連続バーディーで立て直したかに見えたが、7番でも3パットしボギー。「トリやボギーが多かった」と反省した久常、この日75の18位タイで1日目を終えた。
【大林】「ジュニアでの最後の試合なので結果を残せるように頑張る」という大林は1番から11時30分にスタート。強風にもうまく対応し、前半9ホールはパーでしのぐ。しかし後半10番でボールが木の下に行ってボギーとすると、11番でもボギーをたたく。13番で初バーディーを奪ったものの、15番でまたも木の下にボールが行きボギーとする。それでも16番から連続バーディーでスコアをイーブンに戻しホールアウト。前後半ともイーブンの72で1位タイ、上々のスタートだった。
2日目 【大谷】前日の風が収まり穏やかな天候となった。入賞圏内を目指す大谷は1番から12時20分にスタート。1番をボギーとしたが、2番でバーディーを奪い、悪い流れを止める。5番ではアプローチをうまく寄せてバーディー、8番でもチップインバーディーと前日苦しんだコースを攻略。後半10番で2mのパーパットを外しボギーとするも、その後はパーで耐えた。この日は1アンダー71、2日間トータル144で首位と1打差の4位タイに浮上した。143の首位タイに3人いた。
【久常】巻き返しを誓う久常は1番から7時20分スタート。1番で20ヤードのアプローチを寄せてバーディーを奪うと、7、8番を連続バーディーとし、前半を3アンダーで折り返す。後半も久常の勢いは止まらない。11、13番でもバーディーを奪う。17番をダボとするも、この日3アンダー69、トータル144で首位と1打差。「ダボがもったいなかった」と17番を悔やんだが、大谷と並び4位タイにジャンプアップした。
【大林】前日首位タイの大林は10番から7時20分にスタート。「スタートからバーディーが取れて流れに乗れた」と、前半だけでボギーなしの4バーディーと強さを見せつける。後半1番でもアプローチをうまく寄せてバーディーを奪う。その後はパーが続いたが、最終9番でティーショットが木の下に入りボギー。「バーディーを取れるところで取れたのはよかった。最後のボギーがもったいなかった」と語った大林、この日4アンダーの68トータル140で単独首位に浮上、2位のボイドに4打差つけた。
最終日 【大谷・久常】1日目と同じ強めの風が吹いた。逆転優勝を目指す2人は9時に1番から同組でスタート。「首位と1打差なので攻めて自分のゴルフで勝ちに行く」と宣言した久常が1番でバーディー発進すると、「優勝しか頭にない」という大谷も2番でバーディーを奪う。好発進した2人だったが、その後はバーディーチャンスを生かせない。久常は4番でダボ、8番でボギー。大谷も7番と9番でボギーをたたき、2人とも苦しい展開になった。
後半に入った。大谷は10番パー4でダボをたたき優勝争いから後退した。その10番で久常はバーディーを奪い悪い流れを止め、このホールで8打たたいた首位のジャックに1打差に迫った。さらに12番でもバーディーを奪いイーブンに戻し、ついにジャックを1打差ながら逆転した。しかし、ジャックも続く13番でバーディーを奪い久常に並んだ。久常は14番以降バーディーパットを決められず、イーブンのままホールアウト。ジャックが最終ホールでバーディーを決め、AJGA大会5回目の出場で初優勝を飾った。久常は惜しくも1打差の2位で大会を終えた。大谷はバーディーも取るがダボも打つ出入りの激しいゴルフでこの日75、入賞圏内に2打及ばず6位タイに終わった。
【大林】2度目の優勝を目指す大林は8時40分に1番から最終組でスタート。5番でティーショットを木にあててボギーとする。前半、大林はバーディーを奪えなかったがパーでしのぎ1オーバーに抑えた。ボイドがイーブンで上がり2人の間は3打差に縮まった。
後半に入った。10番でアプローチをミスしボギーとするも、12、13番と連続バーディーを奪う。ボイドもその間2バーディー・1ボギーで差は3打差のまま。しかし14番で大林が痛恨のロストボールでダボとすると、続く15番でもダボとして、とうとう1打逆転を許してしまう。16、17番も連続ボギーで後半は41、「ロストをしてから流れが一気に悪くなってしまった」と悔やんだ大林、この日78トータル218で2位タイに終わった。最終日1アンダー71で上がったボイドはトータル215とし、AJGA大会7回目の出場で嬉しい初優勝をつかんだ。
大谷元気選手の話
日本と比べてとても暑く、風が相当強かった。ショットはある程度良かったけど、パターがまったくダメだった。3日間、もう少し自分のゴルフを丁寧にできていればと感じた。今回のAJGA大会で自分に足りない部分がしっかり分かったので、日本に帰ってそこを練習していきたい。
久常涼選手の話
自分の心の弱さを痛感した。1打の重みを久しぶりに思い知らされた。とても悔しい負け方となったので、次は勝ちたい。ラフがとても重くて、アプローチの距離感をうまく出せずボギーやダボにしてしまった。AJGA大会で優勝して、インビテーショナル大会に出場できるように頑張りたい。
大林奈央選手の話
最終日の13番までは良かったし自信にもなった。でも気持ちの切り替えがうまくいかなかった。たくさんの課題をしっかり把握できました。最終日は風が強く、ラフが深くてアプローチが難しかった。プロテストとQTに向けて、アメリカで経験したことを生かして練習に取り組んでいきます。