2016年11月15日
【海外派遣】AJGAザ・ジュニアプレーヤーズチャンピオンシップ詳細
蝉川泰果(右)、三田真弘(左) AJGA最高峰に挑戦
9月1日~4日▼米フロリダ州ポンテべドラビーチ、ソーグラスカントリークラブ(男子7049ヤード、パー72、コースレート74・8)▼参加選手=男子78名
▼JJGA派遣選手=蝉川泰果(高校1年)、三田真弘(中学3年)▼派遣資格=チームタイガー
今年もアメリカンジュニアゴルフ協会(AJGA)からジュニアプレーヤーズチャンピオンシップの挑戦権を得た。この大会はAJGAの数あるインビテーショナル大会の中でも特別な一戦だ。2007年から開催され、過去に出場した11名が、PGAツアーの「プレーヤーズチャンピオンシップ」にツアー選手として参加している。ジョーダン・スピースもその一人だ。
今大会は19カ国、78名のトップジュニアたちが優勝を目指して戦う。舞台は、大幅なリノベーション中のTPCソーグラスから、ソーグラスCCに変更された。ソーグラスCCは、フェアウェイが狭くドッグレッグのホールが数多くあり、正確なショットが要求される。バンカーや池などのハザードもほぼ毎ホールに設置され難易度をあげている。
この難易度の高いコースに挑むのは、8代目チームタイガーの蝉川と三田。日本のトップジュニアがどこまで世界に通用するのか、期待は高い。
練習日 この日は大型ハリケーンがフロリダ州に迫っており、スタート時間が1時間繰り上げられ、カートに乗ってのプレーとなった。大嵐が近づく中、強風対策に両選手とも時間を割いていた。
~1日目、蝉川17位タイ、三田39位タイと明暗を分けた~
「蝉川」 前日の晩から早朝にかけハリケーンがフロリダ州を襲った。その影響でスタート時間は3時間遅れた。風速10mを超える強風が吹き荒れる悪コンディションに蝉川が立ち向かった。スタートホールの10番では、ティーショットこそ無難にフェアウェーに置くも3パットのボギーと最悪の出だし。13番でも強風にあおられたか右に曲げ、3オン・2パットのボギーと早くも2オーバーに。しかし、17番で2・5mのフックラインを読みきりバーディーを取ると、18番パー5も1mに寄せ連続バーディーと乗ってきた。後半の2番では段の下からのパットがカップに吸い込まれ1アンダーに伸ばす。しかし、5番で落とし穴が待っていた。ティーショットのミスを取り返そうとピンを狙うもバンカーに入り目玉。ボギーパットも外しダボとし、がっくり肩を落とした。「狙ってはいけないところから攻めすぎた」と反省しきり。7、8番と連続バーディーでよみがえるも、最終ホールで痛恨の池ポチャからダボでフィニッシュ。この日5バーディーも2ボギー・2ダボと無念の73で17位タイとした。
「三田」 強風が吹き荒れる中、10番ティーに立った三田。同伴競技者の球が大きく右に流れるのを目の当たりにすると、気にしすぎたか左に曲げ、いきなり池に入れてしまう。4mのボギーパットを決め、なんとかダボを逃れた。しかし、ショットが安定しない。13、14番連続ボギーで3オーバーまで落とした。この日最初のバーディーがきたのが18番で、、前半を2オーバーで折り返した。後半に入ってもショットの調子が上がらず、6番でバーディーもその後1ボギー・1ダボとたたき、76の39位タイと出遅れてしまった。
~2日目、蝉川75、三田74運も調子も上がらず~
「蝉川」 前日とは一転し無風となったこの日は、スコアの伸ばしあいになると予想された。スタートホールの1番でセカンドショットを50㎝につけ楽々バーディーを奪う。エンジンをかけて行きたいところだったが、2番のセカンドショットをわずかにグリーン右に外す。これが赤杭を超えアプローチも3mを残してしまい大ピンチ。3mを気合でねじ込みガッツボギー。しかし、このホールの後、大きく調子を落とし前半を2オーバーで折り返す。後半に入り10番でバーディーもその後3ボギーをたたいてしまう。最終18番でバーディーを取り、1つ盛り返すもスコアを落とし75。トータル148で33位と大きく順位を下げた。
「三田」 無風のこの日はショットの切れが戻り、次々とバーディーチャンスにつけていった。しかし、11番で50㎝につけバーディーを奪った後は、2~3mが決めきれず、前半を1アンダー35で折り返す。後半に入っても3番までパーを重ねていき、迎えた4番では10mの上りを2mオーバーし、返しのパットも外しボギー。この3パットで流れを悪くしてしまった三田は、パッティングに苦しみ7、9番とボギー。ショットは切れていたが、思うようにパットが決まらず74。トータル150で41位タイまで順位を下げた。このままではと最終日に巻き返しを誓う。
~最終日、どこまで順位を上げられるか? 目指せアンダーパー!~
「蝉川」 目指すはアンダーパー。蝉川の最後のチャレンジが始まった。この日は前日とは違い、小雨がパラつき風も吹いていた。そんな中、2番では2オンしながら3パットのボギー、6番でもアプローチミスしてボギーと、暗雲が立ち込める。そんな悪い流れを断ち切ったのが8番パー5。2打目をスプーンで打ち、グリーン右のカラーに乗せバーディーを奪う。すると9番で、それまでなかなか決め切れなかった4mのバーディーパットを、ど真ん中から入れ連続バーディー。11番でも3mを決め目標のアンダーに到達した。15番でボギーも、18番パー5で3打目を2mにつけた。これを決めれば1アンダーだったが、わずかに外れパー。この日72のトータル220で25位まで順位を上げた。
「三田」 なかなか思うようなプレーができていない三田。最終日を迎え、「自分のプレーに徹して、アンダーパーで回る」とスタート前に誓った。11番パー5で1mに寄せてバーディーとするも、13番パー4では3オン3パットのダボ。17番で3mを外しボギーと、前半を2オーバーで折り返す。ショットは前日に引き続き好調だったが、肝心のパターの調子が上がらない。そんな中、開き直った三田は後半の1番ホールからすべてバーディー狙いに切り変えた。すると、次々に2m以内のバーディーチャンスにつけた。後半は2ボギーもあったが、5バーディーを奪い33で上がった。この日は宣言通り1アンダーの71。トータル221で27位タイへ順位を大幅に上げた。
~大会優勝者~
優勝者はマレーシア出身のカービシュ・バラダン。2日目に2イーグルを含め65で、蝉川と同じ17位タイから2位タイまで一気に順位を上げると、最終日もノーボギーの68でプレーオフに持ち込み初優勝を飾った。
蝉川泰果 選手の話
海外試合は5試合目ですが、AJGAの試合は初めてでした。一緒にプレーした選手は常にバーディーを狙っていますが、攻めの中にも守りがあるなと感じました。プレーでの反省点は、ミスをした時にミスを続けてしてしまったことです。また、ルールで迷った時に、同伴競技者や競技委員と上手くやりとりができず困ってしまいました。海外の試合に臨む時はもっと英語を勉強しないといけないと感じました。
三田真弘 選手の話
最終日に目標としていたアンダーパーを出せてホッとしました。最終日の後半を33で回れたことは自信になります。しかし、海外選手とは飛距離でまだまだ負けているし、小技も彼らはミスが少ない。特にパッティングは、ぼく自身の課題としてもっと練習していきたい。海外試合の経験を積んできているので、英語が理解できるようになっていると感じました。同じ組の選手と楽しく回れてうれしかった。
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