2017年11月17日
【海外派遣】Singha Thailand Junior World Golf Championship 詳細
11月2日~5日▽タイ・ホアヒン、ザ・ロイヤルホアヒンゴルフコース(15歳~17歳男子6678ヤード、パー72、15歳~17歳女子5713ヤード、パー72、11歳・12歳男子5713ヤード、パー72)▽参加国=17か国▽参加選手=15歳~17歳男子24名、15歳~17歳女子12名、10歳・11歳男子17名▽JJGA派遣選手=吉本龍斗(高2)、平木亜莉奈(中3)、清水蔵之介(小6)▽派遣選考試合=サマージュニアゴルフチャンピオンシップ
アジアのゴルフ界の中でも成長著しい国・タイ。同国で最大規模の国際ジュニア大会に昨年から参戦することとなった。今大会にはアジアを中心に17か国が参加。15歳~17歳、13歳・14歳、11歳・12歳、10歳以下の4部門に分かれて競技を行った。15歳~17歳と13歳・14歳の部は4日間、11歳・12歳と10歳以下の部は3日間と長丁場だ。
会場はザ・ロイヤルホアヒンGC。タイで最初に造られた本格的なチャンピオンコースで、かつては王族専用だったコース。ウォーターハザードはないが、タイトなフェアウェイと左右の生い茂るブッシュが特徴的だ。グリーンも小さいため正確なアプローチが要求される。
今回派遣されたのは吉本龍斗(高2)、平木亜莉奈(中3)、清水蔵之介(小6)の3選手。海外での試合経験が豊富な平木・清水はもちろん、最近のJJGAの決勝大会で優勝争いを演じている吉本も実力を伸ばしており、上位進出が期待される。
昨年に比べて天候に恵まれ涼しい気候だったが、日が経つごとに風が強さを増したのが不安材料だった。
【1日目】
吉本 海外大会初挑戦の吉本は1番からスタート。20ヤードのアプローチを寄せてバーディーを奪い、幸先の良いスタートを切る。しかし続く2番で左の林に曲げてしまいダボ。4番パー3でグリーンに乗せてバーディーを奪うも、5、6番ではミスをカバーできずトリプルとボギー。8、11、13番とバーディーを奪うも、10、12番ボギーと出入りの激しいラウンドに。「14番から崩れてしまった」と14番ボギー、最後は3連続ボギーで終えた。この日は5バーディーを奪う実力も見せた一方で、7ボギー・1ダボ・1トリプルと悪い流れを立て直せず、トータル79の12位で終えた。
平木 「4日間平均72以下で優勝することが目標」という平木も1番からスタート。4番で早速バーディーを奪うも、6番でボギー、8番ではダボと狭いコースに苦戦。11番から連続バーディーで盛り返した。14番でボギーも、トータル73で2位と好発進を決めた。
清水 小学生ながら国際経験が豊富な清水は10番からスタート。早速10番でバーディーを奪う。タイ特有のグリーンにも戸惑うことなく、前半は2バーディー・2ボギーの36で折り返す。後半は3番パー5でバーディーを奪ったものの前後のホールでボギー。5番から9番までパーを重ねてホールアウト、73の2位と好スタートを切った。
【2日目】
吉本 前日よりやや強い風が吹いたが、「昨日は最悪でした。今日はアンダーで回れるように頑張りたい」と抱負を語った吉本は10番からスタート。13番でボギーも、それ以外はパーセーブで耐える。前日連続ボギーだった17、18番で12mと3mのスライスをみごとカップインし、前半は1アンダーで折り返す。この流れを維持したかったが2番で痛恨の3パット。「あれで流れが悪くなった」と吉本。3番パー5でも2オンしたものの3パット、4番ではダボを叩いてしまう。5番で4mを沈めてバーディーも、続く6番では林に打ち込んでボギー。7番からは踏ん張って3連続パーで締めたが、収穫と課題の混じるラウンドとなった。この日74で6位に浮上し、入賞圏内に迫った。
平木 「アンダーで回れるように頑張ります」とリラックスした表情を見せていた平木も10番からスタート。なかなかバーディーを奪えないものの、時折吹く強風に負けずパーを拾う展開。1オーバーで迎えた後半、1番から3連続バーディーを奪う。しかし6、7番で連続ボギー、この日はイーブンの72で締めくくった。「せっかく3連続ボギーが取れたのにもったいなかった」と反省していた平木だったが、首位と1打差の2位はキープした。
清水 前日2位の清水は最終組でのスタート。しかし、この日はパッティングが安定しない。2番でボギーの後はバーディーチャンスを生かせず、8番のダボを挟み11番まで8個のパーを重ねた。12、14番ではボギー、15番からもバーディーチャンスがことごとく入らず、77でホールアウト。ところが、同じ組の選手も全員スコアを崩し、首位と1打差の2位のまま、最終日の逆転優勝に望みをつないだ。
【3日目】
吉本 「良くなってきているので、アンダーで回りたい」と強い決意で臨んだ吉本は1番からスタート。早速2オンして8mのパターが決まりバーディーを奪う。しかし鬼門の2番でまたしてもボギー。その後はパーでしのぐも8番からボギー、ダボ、ボギーと流れを変えられない。しかし12、13番で連続バーディーを奪い、悪い流れに歯止めをかける。14番こそボギーもそのあとはきっちりパーセーブし75。「バーディーチャンスが結構あったのにパターが入らなかった」と反省しきりだったが、4位に浮上。首位とは8打差ながら2位と2打差につけた。
平木 「首位に追いついてプレッシャーをかけたい」と話した平木は1番からスタート。2番でパターが入らずダボと苦しい展開に。5番で初バーディーも、6番でボギーをたたいてしまい良い流れをつかめない。9番もボギー、3オーバーで折り返す。後半12番でバーディーも13番から連続ボギー。15番からの連続バーディーで悪い流れを断ち切ったが、この日は2オーバーに終わる。この日70とスコアを伸ばしたフィシクワン(タイ)と並び、首位タイで最終日を迎えることになった。
清水蔵之介 終盤崩れ悔しい4位
清水 11歳・12歳の部は今日が最終日。1打差で首位を追う清水は最終組で10番スタート。緊張感がじりじりと高まる展開の中、13番で首位のサハチャットがバーディーを奪い2打差に。気落ちしたか、清水は14、15番連続ボギーで4打差に広がる。16番で初日以来のバーディーを奪うと、今度はサハチャットが痛恨のボギー。2打差に縮まった。さらにプレッシャーをかけたいところだったが、続く17番で清水がボギーをたたいてしまう。そのまま3打差の3位で前半を折り返した。
後半に入った。清水は1番でバーディーを奪うと3番でもバーディー。サハチャットは3番でボギーをたたき2位に後退、清水と並んだ。かわってポンサバ(タイ)が首位に躍り出た。続く4番で清水は1ヤードのパーパットを外しボギー。良い流れを自ら手放すと6番まで連続ボギー。サハチャットも5番から崩れて4連続ボギー。優勝争いから後退した清水、焦りからかパターが決まらないもどかしい展開。8番でボギー、さらに9番では7ヤードから決めれば3位以上というバーディーチャンスを外すと、返しも入らずまさかの4パットのダボでホールアウト。3日間トータル228、4位で大会を終えた。同組で回っていたポンサパがその9番で12mのバーディーを沈め、トータル224で逆転優勝を果たした。
【4日目】
吉本龍斗 惜しくも入賞圏を逃す
吉本 この日は風が若干弱まったものの、途中から雨が降り注ぐ中でのラウンドとなった。「あきらめずに最後までやろう」と思った吉本は最終組で登場。2番でボギーをたたくと、5番から4連続ボギー。「パターもアプローチもティーショットも悪かった」と流れをつかめない。後半10番ボギーも、12番で30センチに寄せて初めてのバーディーを奪う。しかし、その後はバーディーチャンスを生かせない。17、18番では林に入れてしまい連続ボギーとし、79でホールアウト。トータル307の6位で大会を終えた。最終組で回ったフィリピンのカストロが295で優勝を飾った。
平木亜莉奈 激しい優勝争いも2位フィニッシュ
平木 「アンダーを出して優勝する」と強い気持ちで臨んだ平木はこの日も最終組でスタート。1番で早速バーディーを奪うと、3番でもバーディーと良い流れをキープする。5、9番とボギーも、2打差をつけてフィシクワンにプレッシャーをかけた。
後半に入った。フィシクワンは10番で早速バーディーを奪い1打差に迫る。迎えた13番、フィシクワンがバーディーを奪うと、逆に平木は手痛いボギーで逆転を許した。「悪い方に流れが変わった。焦りが出てきて自分のペースに持っていけなかった」という平木、このホール以降、バーディーチャンスをなかなか生かせない。タイ選手のショットやパターに歓声が上がる完全アウェイの雰囲気にもめげず、14番以降はパーでしのぎこの日73でホールアウト。4日間トータル292で惜しくも2位となった。13番で平木を逆転したフィシクワンが290で優勝した。
【選手コメント】
●吉本 龍斗選手
ドライバーの飛距離は負けていなかったが、4日間ともパターが悪すぎた。優勝した選手はパターが上手かった。最終組で回れたのは良い経験になった。今回の経験を次に生かしたい。
●平木亜莉奈選手
グリーンの違いを感じた。大会を通じて対応することができなかった。4日間のうち3日間で同じ選手と回ったので少し会話はできました。アプローチの打ち方のバリエーションを増やしていきたい。
●清水蔵之介選手
アジアの色々な国のゴルファーがいて緊張した。ショットの精度は悪くなかったが、風と固いグリーンへの対応ができなかった。海外での試合経験をもっと積みたいと感じました。